2024年1月17日、茨城県行方市で開催された「焼き芋サミット」に参加してきました。
参加者は、北は北海道から南は沖縄より集まり、
参加者の立場も、さつまいも生産者から、農協、行政、卸流通業者、加工業者、焼き芋屋、焼き芋メディア、そして焼き芋ファンまで様々な方が集っていました。
そんな中、私が感動したのは、行方市の市職員やJA職員さんの「焼き芋熱」です。
行方市のさつまいも生産のこれまでの歩みをお聞きしましたが、とにかく話が力強い。さつまいもの農業産出額で全国一位となった茨城県で、鉾田市に次ぐ2位の生産量の行方市ですが、自治体をあげて「さつまいも課」なる地域振興チームがあるほどの熱量。たばこからさつまいもへと生産作物を移行して数十年で、全国、世界へと輸出するまでの大産地へと成長したストーリーはさつまいも農家として羨ましくもありました。行方市の、味にこだわり、「焼き芋」としてさつまいもの販路拡大を図ってきた戦略はお見事でした。
そして、全国の焼き芋屋さんの「探求熱」にも感銘を受けました。
講演では焼き芋が甘くなるメカニズムお聞きしましたが、その後のトークセッションでは、全国で行われる焼き芋イベントでの焼き芋の品質問題、猛暑による空洞化、野良苗問題など、最近のさつまいもに関連するかなりマニアックなテーマも話題に上がりました。懇親会でも、さつまいも圃場の土壌作りや微生物の話など濃い話がたくさんできました。
サミット二日目には、現役焼き芋屋さんとJA職員さんによる「焼き芋塾」が行われました。私も見学させていただきましたが、内容は非常に充実しており、受講生の方々がとても熱心に聞いておられたのが印象的でした。
たかが焼き芋、されど焼き芋。
焼き芋は、さつまいもをただ焼くだけのものですが、味や香りは千差万別。その工程は、なかなか深いのです。
焼き芋は、基本、調味料を加えません。焼き芋の味は、畑で7割、焼きで3割とも言われます。さつまいもの味のポテンシャルは、大半が圃場で決まるのですが、天候は不確定要素が多く、肥料と味の関係もまだまだ解明されていないことが多いです。さらに、収穫後、貯蔵の方法によっても品質が変わってきます。
焼き芋のメカニズムについて、実はまだ分からないことが多いかもしません。焼き芋の魅力は、甘さと香ばしさ以外に、そのなぞ多き部分にもあるように思います。
焼き芋好きの探求熱で、日本の焼き芋文化は、もっと向上していくかもしれません。